今回の小生の手記は「日本の国益」についてです。
まず、「日本の国益」についての話をする前に最近の世界情勢及び日本の情勢にきな臭さを感じますのでその事からはじめる事に致します。
南米ウルグアイで先日、預金封鎖が実行されました。定期預金を3年間凍結するという事です。1980年代に端を発した南米からの経済不安は再度再燃し始めました。昨日アメリカはブラジルに対し、1兆5千億円の緊急融資を行う事を発表するなどその対応に苦慮しております。
アメリカの右肩上がりの経済の上昇時に発生した経済不安は何とか消すことが出来、世界同時不況と言う最悪の事態にいたることを防ぐ事が出来ましたが、現在のアメリカの経済国力ではもはや同じ力を発揮する事は不可能でしょう。
又同じように南米から発生する経済不安が再燃すると今度は間違いなく世界同時不況に陥る事は間違いありません。小生が号外などでお伝えしていますが、日本が最近行っている経済政策には大いなる不安を抱かざるを得ません。
手記1・手記2ですでに詳しくお話していると思いますが国民の反対を押しのけてまでも実行した国民総背番号制度と言われる国民基本台帳の制定や、突然とも思われる全紙幣の交換発表など、何故この時期に集中して行わなければならないのでしょう?
財務大臣や経済担当大臣はこの事は偽札予防の為に行う処置とか、お札を刷る輪転機を新たに作る為に4〜5兆円の経済効果が現れるだろう等となんとも能天気ぶりをあらわしているようですが、その裏にはしたたかな計算が読み取られます。
国民をなめてはいけません。
今の日本国民の中には彼らの数十倍の知能を持った人々がいるのです。お札を替えると言う事はそれに伴い全てのものを交換しなければならず、その為の設備資金や保証は政府がしてくれるのでしょうか? そんな事は考えられません。
政府が行った事の後始末を又、国民が背負わなければならない事になるわけです。それを承知で何故こうまでして急がなければいけないか? その理由は昨今の世界的、及び日本の経済状況が率直にあらわしております。日本が一番取り組まなければならない不良債権問題は株価の暴落により不良銀行の含み損の増加を招き、減るどころか増加の一途をたどっております。もはや政府はその様な銀行を救う余裕はありません。
ただ唯一の手段は来年からのペイオフ全面実施を上げたり下げたりする事によって話題性を高め、国民の箪笥預金はじめ中小の銀行預金から政府の銀行である郵便預金に預け代えをさせ、その資金を活用する事しかありません。
政府がもし預金封鎖と言う非常事態を行うとしたら第一に行うのがこの郵便預金だと考えます。現在国民が預金している郵便預金を30%でも解約しようとする動きが出たとしたら、日本国政府はウルグアイと同じ道を辿る事になるでしょう。
政府は日本国民の素直さと馬鹿正直さを十分に研究し尽くしており、その様な結果になる事は100%予測していないと思います。
小生もその事はつくづく感じております。なぜなら小生が手記を送付している500名近くの友人中には1億から数十億単位のお金を自由に動かせる人がいますが現実に小生がいかに話したとしても、日本がその様な事になる訳がないと考えているようです。
まあ〜彼らにしてみれば小生が手記1でお話した預金封鎖等により個人資産の40〜50%を日本国に上納させられたとしても体制に変わりは無いかも知れませんね。
しかし、小生が心配なのはほとんどの国民がそうであるように汗水流して働き、爪に火をともす思いで預金をしてきた人達のお金が一瞬にして40〜50%も目減りする事に耐えられるかと言う事です。
小生は何度にもわたり他人の懐を心配して来ましたが、決断するのは本人次第です。この手記を読まれている皆様方にもう一度声を大にして話したい事は「お金は大事に扱ってください」と言う事であり、「その命の次に大事な友人であるお金のことをもっと真剣に考えてあげて下さい」。
さて、日本の国益についてお話をしたいと思いますがその前に小生の友人の中で真剣に国益と言う大所高所に付いて考えた事がある人はあまりいないと考えます。
なぜなら国益を論じる前にほとんどの人は私益や社益の事を考える事で精一杯だと思うからです。もちろんその事は国益を論じる前の一段階として重要な事ですが、現在の国際情勢を見ていますと国益がらみの問題が一つ発生する事によってその一段階は一瞬にして吹き飛ぶ怖さがあることを忘れてはいけません。
それではその国益とはなんでしょう?
人間は脳みそだけでは生きるわけには行きません。それを働かせる為に必要な血液やエネルギーの基になる食料が必要ではないでしょうか。
アメリカの国益の第一に登場するエネルギー問題こそ今の日本にとって必要不可欠な国益の問題と言えるでしょう。日本はそのエネルギー問題の他に、同じランクに位置できる食糧問題という大きな国益も必用と言えるでしょう。
両者ともほとんどを輸入に頼っている日本はその問題を真摯に受けとめ、国民一人一人が十分に把握しておく必要があると思います。現在の日本はエネルギーの使用を無尽蔵であるかのごとく使用し、飽食時代の現在では食料は自由に手に入るものと錯覚しております。
戦後60年近く経とうとしていますが何故日本があの忌まわしい大戦に巻き込まれなければいけなくなったかを考える時に来ているように思います。10年前には考えられなかった事が世界規模で起こっております。それは全世界が資本主義経済に突入してきたと言う事です。
この事は何を意味するかと申しますと全ての国の国民が、贅沢と言う病気につかり始めた事です。つい最近まで13億の民を有する中国の国民は一汁一采に近い食生活と一家に一個の電灯で満ち足りていました。
しかし、現在はどうでしょう? その事は我々日本国民のライバルが一挙に13倍も増えたと言う事です。ライバルが増えると言う事はエネルギーや食料の消費もそれだけ増えると言う事を意味しており、中国に続きインドやパキスタンと言う人口爆発国が後に控えていると思うとぞっとしてきます。
第6回手記でアメリカの国益についてお話しましたが日本は今まで話した事を少しでも念頭においた国益に沿った政策を行っているでしょうか?
小生にはそれは感じ取れません。
それもそのはずで、今の小泉政権においては手記1・2で書かれた政策を完了する事で頭が一杯でそんな余力はなさそうです。しかもその政策を実行に移す時期は小生は来年だと考えております。
しかし、世界情勢はそういうわけにはいきません。
皆様方もすでにご存知だと思いますが、アメリカとイラク、イスラエルとパレスチナ、中国と台湾等、火種はすでにつけ始められております。
その事が同時に発生したときに現在の日本はどのような国益に沿った動きをするのでしょうか? 日本の国益についてお話をするとまだまだ沢山出てきますが今回小生が皆様方に一番分かりやすく説明する為にエネルギーと食糧問題を第一に取上げました。